| --> |
« 郡上八幡で盆踊り、川に飛び込み | トップページ | ヨーロッパにおける研究費獲得の方法 » 2006年09月03日デジタル逆さめがねを作ってみた。デジタル逆さめがねを作ってみた。 逆さめがねというのはガラスやアクリルのピースを組み合わせて、世界が逆転して見えるようにする眼鏡である。 今回作ろうとしたのは、これのデジタル版である。 現時点で最小クラスのノートPCである Sony Vaio type U。ポケットPC並みのサイズでありながら、Windows XPがそのまま入っている。 Logicool のウェブカメラ。解像度は130万画素。とても軽い。 さらに、Daeyang の i-Visor FX601というヘッドマウントディスプレイ。 とりあえず部品類はこれだけ。 研究室にいたsloth氏、N岡さんに手伝ってもらい、組み立てを行う。 ビューアはとりあえず NetMeeting を使うことにした。 かくしてデジタル逆さめがねの完成である。 研究室の中をうろうろしはじめるsloth。 「よく歩けるなぁ」 顔とヘッドマウントディスプレイの隙間から正常な世界が見えてしまうという問題。 「そしたら、ブルカだ」 紙袋で頭を隠すようにした。 小さな穴を開けて、ウェブカメラだけ外に突き出すようにする。 最初、眼鏡全体が出るくらいの穴を開けてしまったが、実はその必要はまったくなくて、ウェブカメラのレンズだけ突き出せば良いということに気がついた。大きな穴は後ろに回すようにした。 「これでどう?」 机にごつんごつんとぶつかり始めるsloth。うまく行っているようである。 「電話、取れる?」 反対方向に手を伸ばす。 ホワイトボードに字を書いてみる。 ここで面白い発見。 三人で夕刻の街に繰り出す。 バス停の前の人々が怪訝な顔をして我々を見ている。 逆さめがねの実験をしているようには見えないだろう。単に、紙袋をかぶった変な男である。 ウェブカメラの小さなレンズをふさぐと見えなくなってしまうというのが面白い。 柵などにごつごつぶつかりながら、歩道を歩く。 次第に暗くなってくる街並み。 「白黒だよ」 暗すぎて風景がほとんど見えないらしい。 「赤外線カメラにしたい」 たしかに。 「今、サイボーグみたいな感じ?」 オフィスは河原町二条にあるため、そこから河原町通りを南に向かって歩く。 「ノイズがすごい」 暗いためカメラ映像にノイズが入ってしまうのだと思う。 「月は見える?」 明るすぎる光源は円形になってしまい、形がよく分からないのだと思う。 最初は左右反転にしていたのだが、途中で上下反転に切り替える。 「左右反転の方が難しい」 これは僕も以前、同じ感想を抱いた。上下は頭の中で変換しやすいが、左右は難しい。 京都市役所の前の広場に出た。 ここで僕に交代。 たしかに暗い。ウェブカメラには集光力に限界がある。 さらに、ビューアが全画面表示になっていないため、カメラ映像の周囲はWindows。 サイボーグの出てくる映画で時折、視野の周辺にそれらしき計測メーターなどが出ていたりするが、今後現実にサイボーグが作られるとしたら、視野の周辺はWindowsになるのではないか。 御池通の向こう側、寺町のアーケード入り口がまるでルミナリエのように光り輝いて見える。 しかし、黄昏時の青い光が全体を満たしていて、白黒というより、記憶の中のディズニーランドという感じ。 夕焼け空はしっかり見える。足下は暗い。 「バッテリが切れかけています」という表示が出る中、まだまだ歩く。 ごつんとぶつかる。 カメラのレンズの関係で、離れているものがかなり近く見える。 「寺町に行こう」 アーケードなので、明るいはずである。 寺町御池の交差点に差し掛かった時、slothとN岡さんが誰かと話し始めた。 「何してるんですか?」 ウェブカメラ越しには誰だか分からない。ただ人影が立っているだけである。 「無視して通り過ぎようかと思ったのですが……」 秘書のIベさんであった。自転車で通りがかった所らしい。 「これはデジタル逆さめがねといって、世界が反転して見えるんです」 かぶってもらった。 「アーケード綺麗でしょ?」 よろよろと歩くIべさん。 「あ。真っ黒に……」 バッテリ切れで終了。 なかなか興味深い実験であった。 次回はもっと明るい時間帯に行うことにした。 色の反転や視野の拡大など、通常の逆さめがねで行えないこともいろいろ試してみたい。 このデジタル逆さめがねの泣き所は、ウェブカメラの解像度が十分高くないため、小さな字を読めないことである。 Posted by taro at 2006年09月03日 07:33 |
コメント
うわー、面白そうですね。
これをちょっと思い出しました。
http://japanese.engadget.com/2006/06/08/the-third-eye/
こんどぜひ試させて下さい。
Posted by: 小関 at 2006年09月03日 18:33
三人称化、研究室内で雑談した時にも出たのですが、実際にやっている人がすでにいるのですね。
でも僕も試してみるかも。
また一緒に実験しましょう。
Posted by: taro at 2006年09月03日 20:58
とても面白かったです。がんばって1週間かけつづけられるデジタル逆さメガネを作ってください。
Posted by: aran at 2006年09月04日 00:01
自分の描いたデッサンが狂っているかどうかを調べる際に鏡は重宝します。ずっと同じ絵を見続けていると、それを正しいと思い込み構図のバランスやパーツの不足に気づきにくいという傾向が(特に初心者に)あるんですね。でも鏡で反転させたデッサンは、あたかも別のデッサンのような印象を与えるようになり、描いた人に狂いを気づかせてくれます。
僕は高校の時にこの手法を初めて使い、普段いかに自分が客観的に物を見ていないか痛感しました。
ちなみに、デッサンをさかさまにして上下を反転させても狂いには全く気づきません。デッサンのモチーフをひっくり返したとしてもだめだと思います。
Posted by: ベク成 at 2006年09月04日 00:14
はじめまして!ぼくもこの逆さめがねを試してみたいなぁ、と思いつつ、学生時代に潜望鏡の原理+鏡一枚追加でトライしたことがありましたが、重いうえに、像がゆがみ、見栄えも悪く、ものの三十分も部屋で目にしただけで、気持ちが悪くなり中止してしまいました。
像が正常に見えるようになるまで、試してほしかったです(^^;;・・・というのは冗談ですが、僕は鏡めがね以来、万華鏡に魅かれるようになってしまい、市販されているものが幾つか手元にあり、時々それを眺めては悦にいってます。
ところで、ナンシー小関ソフト、ダウンロードさせていただきました。ブログにアップする画像にさっそく使用してみたいと思います。その際は、クレジット入れますので。
それでは、ご活躍期待します。
ユウ
Posted by: ユウ at 2006年09月04日 12:13
>aran様
ありがとうございます。
軽くてファッショナブルなデジタル逆さ眼鏡を目指します。
一週間と言わず、一ヶ月かけ続けられるような。
>ベク成様
それ、かなり面白いです。
僕が似たようなことを思ったのは、二枚の鏡を直角に組み合わせて左右が裏返らないようにした鏡を見た時です。
自分の顔が微妙に違って見えます。
頭の中のイメージによっていかに目の前の光景が歪められているか、驚きました。
上下反転では効き目が無いということ、考えてみると興味深いですね。
>ユウ様
最初に試した時、気持ち悪くなったのは僕も一緒です。
左右反転が特にひどかったです。
体のバランスが取れなくて、立ってられないのです。
万華鏡もいいですね。合わせ鏡とかは好きです。
ナンシー小関ソフトって何でしたっけ? 小関が作ったソフトでしょうか?
Posted by: taro at 2006年09月05日 01:52












