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<title>やってみよう研究所ブログ （taro&apos;s blog）</title>
<link>http://yattemiyou.net/blog/</link>
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<language>ja</language>
<copyright>Copyright 2008</copyright>
<lastBuildDate>Sun, 02 Nov 2008 15:55:30 +0900</lastBuildDate>
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<title>京都カラスマ大学で講演しました。</title>
<description><![CDATA[<p>市民のための“大学”として京都で新しく始まった「京都カラスマ大学」で授業してきました。</p>

<p>大変面白かったです。</p>

<p><a href="http://karasuma.tsumugu.jp/2008/10/20081026-02.html">http://karasuma.tsumugu.jp/2008/10/20081026-02.html</a></p>

<p>参加者の笑いを結構取れたのが良かった。</p>

<p>学長のオータさん、スタッフの皆さんには大変お世話になりました。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/11/post_337.html</link>
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<category>出来事</category>
<pubDate>Sun, 02 Nov 2008 15:55:30 +0900</pubDate>
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<title>京都での機動性が復活</title>
<description><![CDATA[<p>また自転車を買ってしまった。</p>

<p>川端丸太町の竹内自転車で折りたたみ式を買いたいと告げると、店のおばさんが</p>

<p>「手塚さん、うちで自転車買うてくれはったの何台目やろうねぇ」</p>

<p>とか呟いていた。</p>

<p>たぶん、十台目くらいではないかと思う。</p>

<p>学生の頃は中古ばかり買っていたので、あまり長持ちしなかった。</p>

<p>今回は半年前に購入した自転車の色違いを買った。なかなか乗り心地が良く気に入っている。</p>

<p>東山三条に住むmanic氏のご厚意で自転車を置かせてもらえるようになったのである。これで京都市内における機動性が格段にアップした。</p>

<p>自宅から南草津駅まで自転車で行って、JRと地下鉄を乗り継ぎ、東山三条からまた自転車に乗る。</p>

<p>パーク・アンド・ライドである。</p>

<p>土曜の晩、manic氏と四条で夕飯。おいしいのにとても安い居酒屋を紹介してもらう。</p>

<p>manic氏は雅楽で使われる伝統楽器である龍笛が趣味で、さらに自分の演奏をデジタル加工してライブするといった活動を行っている。</p>

<p>11月3日11時から京都市国際交流会館で行われるオープンデイのイベントにも出演するらしい。manic氏の他にもいろいろな民族楽器の演奏者が出演するそうだ。</p>

<p>manic氏から聞いた龍笛に関するトリビア。</p>

<p>龍笛は竹で作られた横笛だが、長く煙でいぶしたものほどいい音色を持つとされる。</p>

<p>高級品には百年間、いぶされた竹から作られたものもあるらしい。</p>

<p>といっても百年の間、笛をいぶし続けている工場があるわけではない。</p>

<p>古民家の囲炉裏の上で屋根材として使われていた竹から作るのである。</p>

<p>最近は古民家も囲炉裏も減ってしまったため、龍笛の最高級品の価格はうなぎ登りなのだそうだ。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/10/post_336.html</link>
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<category>出来事</category>
<pubDate>Wed, 22 Oct 2008 21:04:49 +0900</pubDate>
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<title>生命情報の不思議（塩基対の偏り）</title>
<description><![CDATA[<p>テニスコートが校舎からやたら近いこともあって、教員のテニスサークルを作って時間の空いた時にテニスなどしている。</p>

<p>これが最近、人間関係を広げてくれたりして、楽しい。</p>

<p>生命情報学科のK先生は普段同じオフィスにいるにも関わらず、生命情報学科が今年の四月に情報理工学部から生命科学部に移動してしまったため、授業を通した繋がりもなく、教員の懇親会でも会うことがないので、あまりお話したことがなかった。</p>

<p>ところがテニスにお誘いしたら快く来てくださって、それをきっかけにしていろいろお話を聞けたのだが、大変面白かった。</p>

<p>K先生は塩基配列の解析を研究テーマにしている。</p>

<p>生物の遺伝情報はA,T,G,Cという四種の核酸によって符号化されているわけだが、実はこれらの出現頻度には偏りがある。</p>

<p>GCペアの数は平均して全体の40％前後であり、ATペアより少ない。</p>

<p>ところがこの偏り、哺乳類・鳥類ではその他の脊椎動物と大きく違うのだそうである。</p>

<p>全体の平均はそれほど変わらないのだが、1万塩基対程度の長さの断片を多数調べて含有率のヒストグラムを作ると、哺乳類・鳥類ではGC含有率が60％という領域まで裾が広がるのだそうである。いわゆるロングテール。GCの割合が高い断片が多数存在する。</p>

<p>興味深いのは、系統樹上で哺乳類と鳥類の間に位置する爬虫類ではこのような現象が見られないこと。</p>

<p>つまりこの現象は哺乳類と鳥類で偶然共通に発生したか、あるいは爬虫類で失われてしまったと考えられるわけである。</p>

<p>同じ脊椎動物でもこんな低いレベルで違いがあるということに驚く。K先生はこの偏りの原因を明らかにすることをひとつの目標にされている。</p>

<p>GCは水素結合が三つなので、ATより安定と言われている。</p>

<p>恒温動物では代謝が活発で活性酸素が多いことと関係しているのだろうか、とちょっと思った。</p>

<p>ちなみに熱水中に住む細菌でもGCペアが多いそうである。</p>

<p>だがそんな理由で塩基対の頻度分布が変わってしまうとしたら、エンコードされていた情報はどうなってしまうのか。</p>

<p>遺伝子領域とイントロン領域の両方でGCの含有率に偏りが生じているとK先生は仰るのだが……。</p>

<p>恒温性の獲得に伴い、塩基配列として安定な酵素を多く使うようになった、ということだろうか。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/10/post_335.html</link>
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<category>教えてもらったこと</category>
<pubDate>Sat, 18 Oct 2008 14:16:39 +0900</pubDate>
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<title>学問はすばらしい。</title>
<description><![CDATA[<p>科研費の申請を無事出して、ちょっとお休みしていた勉強を再開。</p>

<p>今日もたくさん感銘を受けることがあった。</p>

<p>学問はすばらしい。</p>

<p>人類は何とすごいものを発明してしまったのだろう。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/10/post_334.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/10/post_334.html</guid>
<category>出来事</category>
<pubDate>Thu, 16 Oct 2008 23:15:36 +0900</pubDate>
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<title>ディジタル逆さメガネとその仲間たち</title>
<description><![CDATA[<p>大学院生のための就職サイト<a href="http://www.acaric.jp/">アカリク</a>さんの<a href="http://www.acaric.jp/modules/freepaper/index.php?content_id=9">フリーペーパー</a>でコラムを書かせていただきました。</p>

<p><a href="http://www.acaric.jp/fp/img/acaricvol6P30-31.pdf">アカリク版 やってみよう研究所「ディジタル逆さメガネとその仲間たち」（PDF）</a></p>

<p>紙面に収まりきらなかった内容もあるので、以下はその増補版です。</p>

<hr width=60%>

<p><a href="/archive/sakasa.html">逆さメガネ</a>という装置がある。普通のメガネをひとまわり大きくした形をしているのだが、レンズの代わりにプリズムが入っていて、視野の上下あるいは左右が反転するように作られている。つまり、逆さメガネで見る風景はこんな感じだ。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc1.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc1-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p><b>逆さメガネから見える風景（イメージ）</b></p>

<p>これは上下反転逆さメガネから見た風景だが、左右反転メガネの場合は左右が逆になる。逆さメガネについて興味深いのは、このメガネを数週間にわたって装着した場合、脳が視野の反転状態に適応してしまい、メガネを外した時に世界が逆転して見える、という現象だ。そのため心理学の実験でよく使われるらしい。</p>

<p>問題はメガネにプリズムを入れているため、サイズがかなり大きく、重くなってしまうことだ。数週間以上かけ続ける人もいるらしいが、肩が凝って大変らしい。僕も一度試したことがあるが、たしかに前方に向けて飛び出した形状はごつく、転んだりしたら大変そうだった。</p>

<p>そこでディジタル化である。</p>

<p>近年の電子機器の小型化はめざましく、USBカメラやヘッドマウントディスプレイの解像度も年々上がっている。逆さメガネもそろそろディジタル化を迎える時期なのではないか。さらに言えば、電子的なシステムを間に挟むことで、従来の逆さメガネでは実現できなかった様々な機能が可能になることであろう。</p>

<p>今回、USBカメラ、ポータブルPC、そしてヘッドマウントディスプレイを組み合わせ、<b>ディジタル逆さメガネとその仲間たち</b>を作ってみた。使用したUSBカメラはLogitech製。200万画素でオートフォーカス機能もついているため、映像は鮮明だ。メガネはDaeyangのヘッドマウントディスプレイi-Visor。非常に軽量である。そして両者をつなぐポータブルPCとして、Sony Type-U。動画処理にはMicrosoftのマルチメディア処理用API、DirectShowを利用した。</p>

<p>欲しいと思った機能の多くが最初からDirectShowのサンプルに組み込まれていたが、若干の実装も行った。一番手間が掛かったのが<b>時間の逆さメガネ</b>である。数秒分のムービーを保存し、常に逆回しで流すという機能。いわば<b>巻き戻しメガネ</b>。時間が逆向きに流れる世界はどのように見えるのか。見慣れた風景を逆回しで見ることによって、何か発見があるのではないか。空間と来たら次は時間である。時間軸上での逆さメガネを実現してみたい。</p>

<p>実験はよく晴れた日の午後に行った。</p>

<p>まず、ヘッドマウントディスプレイを装着する。アナログ式の逆さメガネと比べて大変軽い。メガネの隙間から外界が見えると視界反転の効果が半減してしまうため、頭から段ボールをかぶる。ヘッドマウントディスプレイをポータブルPCに接続し、そこからさらにUSBカメラにつなぐ。カメラは段ボールの外側に固定する。ポータブルPCはショルダーバッグに入れて持ち運ぶようにする。これで完成。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc2.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc2-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>解像度はさすがにアナログ式逆さメガネより劣るが、それでも本の文字が読めるくらいの鮮明な映像が見える。日常生活には困らないレベル。画素に若干の荒さがあるため、デジタル世界の住人になった気分だ。</p>

<p>研究室にいた学生の和雅仁多くんと芭斗くん、螺夢貴先生を誘って、被験者になってもらった。</p>

<p><b>左右反転メガネ</b>を掛けてもらう。一見、それほど変化が起きるようにも思えないのだが、実はこれが一番インパクトが大きい。長期間掛けて生活する場合、日常生活にもっとも支障をきたすのはこのメガネであると思われる。アナログ式の左右反転メガネを最初に試した時、僕は立っていることができなかった。おそらく人間は無意識のうちに体のバランスを取っているのだが、左右反転メガネを掛けた場合、体が右に傾いて左に戻そうと体を動かしたら、さらに右に傾いてしまうため、バランスを失ってへたりこんでしまうのだ。</p>

<p>幸か不幸か、ディジタル左右反転メガネではそれほどひどいことは起きなかった。現実そのものというよりディスプレイを見ているという認識があるためか、脳が騙されないのかもしれない。それでもそれなりの効果はあるようで、まっすぐ歩こうとしても、なぜか曲がってしまう。体が横に引っ張られているような感覚。意識的にまっすぐ歩こうとする力と、目に映る光景から直進方向を判断する無意識の力が拮抗しているといったらいいだろうか。いかに自分の動作が無意識の制御に支配されているかが感じられて、興味深い。</p>

<p>実際、被験者の皆さんもかなり混乱している。まず、ドアがあけられない。まっすぐ歩けない。壁に向かって進んでいく。なかなかの効果だ。</p>

<p>「これつけてジェットコースター乗ったら怖いかもしれない」と和雅仁多くんが言う。体の感じる移動方向と目に移る移動方向が違ってくるわけで、かなり酔いそうだ。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc4.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc4-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>続いて<b>上下反転メガネ</b>の実験に移る。</p>

<p>こちらは見た目の変化は大きいが、実は左右反転メガネよりも慣れやすい。被験者の皆さんからも、こちらの方が歩きやすいという意見が出る。和雅仁多くんは上下反転メガネを掛けたまま研究室を出て、おぼつかない足取りで廊下を歩いていく。階段の所まで行って、爪先で位置を確認しながら降りていこうとするので、思わず止めた。あまりにも危険である。メガネを外した状態で一階まで降りて、ぞろぞろと校舎の外に出た。</p>

<p>外は明るい。室内にいる時より、メガネに映し出される映像も鮮やかになった。上下反転メガネを掛けた状態で、足の下に広がる空を見る。広い。</p>

<p>玄関付近で実験を行っていると、和雅仁多くんと芭斗くんの知り合いの学生が通りがかった。段ボールをかぶって校舎のまわりをうろうろしている我々の姿はかなり異様に見えたことだろう。だが、逆さメガネの説明をすると、すぐに実験に参加してくれた。なかなかノリが良い。「おお」と素直に驚きの声を上げてくれる。いい人だ。しばらく試してもらって、感想を聞いてみる。</p>

<p>「ゲームに慣れてる人は、慣れやすいかもしれないですね」<br />
「というと？」<br />
「航空機とか、操縦桿引いたら上昇するじゃないですか。操作と移動方向が逆向きになってるゲームって結構あるんですよ。ボンバーマンには罰ゲームというモードがあって。操作ボタンの左右がいきなり入れ替わるんです」</p>

<p>いろいろ教えてくれた。ゲームの世界はだいぶ進んでいるようだ。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc5.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc5-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>形の反転と来れば、次は色の反転だ。<b>色反転メガネ</b>の実験を続けて行う。カメラから入力された画像の色相を変える。顔が真っ青になる。比喩ではなく、原色の青だ。かなり気持ち悪い。逆さメガネの長期間着用によって空間反転に慣れるということは、色の反転にも慣れることはあるのだろうか。肌色＝青、という風に感じるようになるのだろうか。その時、その人にとって「青」とは何になるのか。また、メガネを外した時、青はどう見えるのか。</p>

<p>自分に見えている青色は他人が見ている青色とは違う色なのではないか、というのは誰もが子供時代に感じる不安だと思うが、このメガネを長期間かければ、その不安は解消されるはずだ。「決まった色などというものは無い」と思えるに違いない。</p>

<p>あいにく今回の実験では数分間の着用だったため、ただ気持ち悪いだけで終わった。</p>

<p>色相や彩度の調整によって<b>セピア色メガネ</b>にもなる。一日中、懐かしい感じを味わえる。</p>

<p>ここで趣向を変えて、<b>三人称視点メガネ</b>の実験を行う。反転ではなく、視点の変更である。自分を三人称で見つめようという趣旨である。自己を客観視できるようになれば、人格の向上が期待できそうだ。これはすでに「THE THIRD EYE PROJECT」という名前で実験を行っているアーチストの人がいて、よく知られている。</p>

<p>東急ハンズで購入してきた長いプラスチックポールの先にカメラを取り付ける。見た目はそれっぽくなった。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc6.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc6-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc7.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc7-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>だが、今回の実験ではポールの長さが短すぎたようだ。装着した螺夢貴先生、困ったように言う。</p>

<p>「もうちょっと全身が見えるようにしないと、意味がないかもなぁ」<br />
「背中が見えるだけですか？」<br />
「いや、後頭部が見えるだけ」<br />
「まじっすか」</p>

<p>僕も試してみたが、後頭部、つまり段ボールの固まりが目の前に現れ、視界のほとんどを覆ってしまう。もっと広角のカメラを見つけてくるか、今より長いポールを手に入れて、カメラの位置をさらに後ろに持っていく必要がありそうだ。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc8.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc8-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>三人称視点メガネを45度上側に傾けると、<b>ドラクエ視点メガネ</b>になる。上から見下ろす視点で自分を見ることができる。だが、ここでもポールの短さ、カメラの視野の狭さが問題となった。自分の頭、そしてその周辺1メートル四方の地面しか映らない。カメラがあと1メートル、いや2メートルくらい高い位置にあれば……。これもさらに長いポールを買ってきて、試してみなくてはならない。</p>

<p>ドラクエ視点メガネさらに45度前方に傾けると、<b>二人称視点メガネ</b>になる。相手の視点から自分を見る。二人称の視点ということでやってみたが……。鏡を見るのとたいして変わらなかった。</p>

<p>続いて、カメラのズームイン機能を使って、視野の中心を大きく拡大する<b>望遠メガネ</b>を試す。着用した和雅仁多くん、さっそく驚きの声を上げる。</p>

<p>「うわ、杭が近っ！」</p>

<p>芝生の仕切りの杭から数メートルも離れているというのに、おそるおそる手を伸ばしている。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc9.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc9-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>「目の前くらいに見えるねんけど」</p>

<p>動作が面白い。芭斗くんも着用する。目の前に校舎の壁が見えるのか、中腰になって、手を伸ばしながら、慎重に前に向かって歩いていく。ようやく壁までたどり着いて、安堵の溜息をもらす。</p>

<p>「歩いても歩いてもつかへん。この距離が果てしない……」<br />
「すぐ前に見えるのにね」<br />
「そう。近いように見えるのに、すっごい距離があるんですよ。ダイエットにいいかもしれない」<br />
「近いと思って歩いたら、かなり遠い。だからたくさん歩いてしまうってこと？」<br />
「そうです」</p>

<p>意外な活用方法だ。案外使えるかもしれない。</p>

<p>「自分の家が広く見えたりしませんかね」<br />
「いや、狭くみえるでしょ」<br />
「狭く見えるけど実は広い。得した気分になれるかもしれない」</p>

<p>僕も装着してみた。視野が自分の数十メートル先を進んでいくわけで、まるで魂が肉体の前方を歩いている感じだ。少し歩くと、校内の道が若干傾斜している所まで来た。普段はあまり意識しないほど緩やかな斜面なのだが、望遠メガネを掛けた状態ではすごく急に見える。奥行き方向の距離が縮まり、急峻に感じられるのだ。和雅仁多くんにメガネを渡して、実際に同じように見えるか確認してもらう。</p>

<p>「めっちゃ急やな。落ちそう」</p>

<p>若干オーバーに言う。数歩歩いて、ふと気づいたように言う。</p>

<p>「かなり速く歩いているように感じられる」</p>

<p>不思議な現象だ。視野が狭いために速く動いて感じられるのではないかと言う。このメガネを掛けた状態で車を運転したら、相当速く感じられるのだろうか。</p>

<p>いろいろな発見もあり、望遠メガネ、なかなか好評であった。</p>

<p>最後に<b>時間の逆さメガネ</b>の実験を行った。ムービーを撮影し、逆回しで再生する。録画時間は3秒に設定。録画している間、その直前に録画した映像を逆回しで流す。これで時間が逆向きに流れて見えるだろうか？　</p>

<p>着用してみたが、非常に残念なことに、このメガネはほとんど効果が出なかった。どうやら我々の身の回りで起きる出来事のほとんどは時間的に対称のようなのだ。たとえば鼻をこすってみても、手を上げ下げしてみても、飛び跳ねてみても、すべて時間的に対称になっている。つまり映像だけから時間の向きを当てることができない。物を落とした時か、歩いている人を見る時くらいしか違いが出ないのである。</p>

<p>ミクロ的にはほとんどの現象が可逆なのだ。表情も可逆、身振りも可逆。マクロ的に我々が感じる時間の不可逆性は、記憶の蓄積によって作られるものという気がしてきた。</p>

<p>だが、まったく違いが無いというわけでもない。大学構内をうろうろしてみる。</p>

<p>「うわ、びっくりしたぁ」という声が聞こえた後、横を人が通り過ぎていく。後ろ向き歩きで。人とのインタラクションがあるとそれなりに面白い。自分の動きも異様に感じられる。後ろ向き歩きの連鎖。どこに向かって歩いていくのか。</p>

<p>和雅仁多くんにも時間逆さメガネをつけて歩いてもらったが、すぐには何が起きているか理解できないものらしい。</p>

<p>「いったい何が起きているんだ……」などと言っていたが、しばらくしてから、あ、なるほど、などとつぶやく。</p>

<p>「歩いていると何が何だか分からないな……」<br />
「止まってる時は分かる？」<br />
「はい。動いた時点から少しラグがあるから、現在の自分の状況が分からないですよね。やっぱり飛び飛びというのが辛い」<br />
「巻き戻しと早送りが交互に繰り返されるようにして、全体として連続にしたら？」螺夢貴先生が提案する。<br />
「波みたいに、ですか？」</p>

<p>これはやってみないと分からない。すごく酔いそうな予感はするが……。</p>

<p>「もっと細かい逆戻しを連ねるとか。0.1秒間ずつとか」<br />
「気づかないでしょ」<br />
「絶妙な設定にしたら、なめらかに時間逆転しているように錯覚しないかな」<br />
「片目は順方向、もう片方の目で逆方向とか」<br />
「余計わけわかんない」<br />
「移動しているものだけ逆向きにさせるとか？」<br />
「それだと移動しているもの以外は時間逆向きにならないですよね。それに、自分が動いた時はどうするか」<br />
「フェードアウトで繋げていくのはどうだろう」</p>

<p>実際、1オクターブずつずらした音をいくつも重ねて、それらすべてを連続的に高くしていくと、音がどこまでも高くなっていくように聞こえるという錯覚があり、「三色ねじり棒（床屋の看板）現象」と呼ばれているらしい。できればそういう錯覚を作り出したいのだが、映像ではさすがに無理か。時間感覚に関する錯覚を見つけられたらと思っていたのだが、このままでは難しそうだ。</p>

<p>いろいろアイデアは出たが、決定打はない。いっそ時間反転実験を現実世界で行うのはあきらめてしまって、時間逆向き映像をCGで作成して、VRの世界で体験させるとか。そんな環境で子供を育てたらどうなるか。CGの世界から現実の世界に出てきた時、どういう風に世界を感じるようになるのだろうか。時間が逆向きに流れて感じられるのだろうか。</p>

<p>今回の実験で一番期待していたのが時間の逆さメガネだったのだが、実際にやってみると、一番効果が無かった。やはり何事もやってみなければ分からないものだ。</p>

<p>何かうまい方法はないものか。アイデア募集中である。</p>

<p>ここで第一回実験は終了。</p>

<p>夜になってふたたび、いくつかの実験を行った。共同研究室に遅くまで残っていた他胡与先生と陀羅把先生に参加してもらう。</p>

<p>まずは<b>背の高い人視点メガネ</b>。ドラクエ視点の位置にカメラを置いて、前方に向ける。これによって、とても背の高い人の視点から見下ろした形になる。身長3メートルくらいか。これはなかなか爽快だ。まるで天井を歩いているように感じられる。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc10.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc10-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>他胡与先生は物静かな先生なので、こんな企画に乗ってくれるか心配だったが、案外楽しんでいる様子だった。</p>

<p>「これはあんまり酔わないんだな」と他胡与先生。<br />
「酔わないとは？」<br />
「安っぽい3Dのゲームとかだと、3次元の計算がいい加減だったりして。長時間集中してプレーしていると、酔ったりするんだよね。これは現実そのものだから、酔わない」</p>

<p>脳は案外賢く、微妙なズレに違和感を感じるというわけか。</p>

<p><b>蟻視点メガネ</b>の実験も行う。これは背の高い人視点メガネの逆であり、カメラを足の先につけることで、ものすごく低い視点からの見え方を実験する。これが予想外に面白かった。ラジコンに乗って操縦している気分だ。歩きながら、「うん、こっちの方が情報多いな」と他胡与先生。背の高い人視点メガネでは、天井くらいしか見えないのだ。</p>

<p>「足の先に目玉があると、かなり感覚違うなぁ」<br />
「我々はそういう風に進化してきませんでしたからね。たぶん、不便でしょう」</p>

<p><b>90度回転メガネ</b>も実験。視野が横に倒れるため、<b>横メガネ</b>と呼ぶこともできよう。これは上下反転メガネ以上にまっすぐ歩くことが困難。このメガネを掛けたまま、一地点に立ってくるりと回転してみるのが面白い。視界が縦方向にぐるりと一周する。通常はありえない動きである。</p>

<p>さらに、カメラを頭の後ろ側に設置して、<b>後ろ向きメガネ</b>を試す。自分の背後が見える状態になる。前が見えないので何もできないかと思ったら、「後ろ向きに歩いたら」と他胡与先生が提案する。</p>

<p>試してみると、たしかに歩ける。方向をいちいち考えて進まなくてはならないため、立ち止まって考えてしまう。頭の体操になる感じだ。</p>

<p>他胡与先生にも試してもらう。手を後ろに回してドアをあけ、部屋を出て廊下を歩く。「えーっと、あ、そうか」などとつぶやきながら、何度も立ち止まって確認している。</p>

<p>「そうやって考えちゃいますよね」</p>

<p>頭の体操なのである。このメガネも長期間着用したら慣れて、高速で後ろ向き歩きできる人になれるのだろうか。</p>

<p>「左右反転させた方がいいかもしれないな」と他胡与先生が言うので、左右反転機能を起動させた。</p>

<p>「これだと右にあるものが右に見えるから……。うん、この方がわかりやすい」</p>

<p>本当だろうか。僕も試してみたが、どっちもどっちという気がした。頭の中で得意とする変換の種類が違うのかもしれない。</p>

<p>「いろんなメガネを作ってみたんですけど、他に何か面白いアイデアないですかね？」と聞いてみる。</p>

<p>「二人の視野をネットワークでつないで、交換させるという実験は見たことがある。ポストペットを開発した人が行ったプロジェクトで」<br />
「それ、かなり面白いですね」</p>

<p>ヘッドマウントディスプレイが二台必要だが、ぜひやってみたい。</p>

<p>他胡与先生は最終バスに乗って帰ってしまったので、陀羅把先生に逆さメガネを試してもらう。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc11.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc11-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>かなり面白がりつつ、「エンターテイメント用途とかに使えないですかね」とか言う。<br />
「使い道なんて別にいいじゃないですか。面白ければ」と僕。<br />
「でも、何か考えたくないですか」</p>

<p>さすが研究者。</p>

<p>「蟻視点メガネで草むらを歩いたら、普通に楽しめますよ」<br />
「理科教育にも使えそうですね。いろんな生き物の視点になるとか、面白いかもしれない」<br />
「そう、鳥や草食動物は目が横についているじゃないですか。あれは周囲の危険を察知できるように、360度視野になってるんですよ。だから<b>360度視野めがね</b>も作ってみたいんです。人間がそういう視野を持ったらどうなるか」</p>

<p>広角のメガネがないため、まだ実装できていない。魚眼レンズや全方位カメラを使うか、複数のカメラからの入力をマージさせるソフトと組み合わせたらいけるのかもしれない。</p>

<p>望遠メガネも試してもらった。</p>

<p>「どうですか」<br />
「台所が……近い。給湯器くらいしか見えないんですけど」</p>

<p>望遠メガネを掛けた状態で向き合って会話というのを試してみる。まずは僕が掛ける。4倍までズームインできるため、拡大されすぎて鼻しか見えない……といった状態を期待していたのだが、あいにくそこまで大きくならない。それでも画面いっぱいに陀羅把先生の顔が広がる。目と鼻の先にいるような見え方。陀羅把先生は女性なので、こんなに接近してしまうと結構どきどきする。</p>

<p>今度は彼女に試してもらう。</p>

<p>「どうです？　近くに見えません？」<br />
「近すぎて額くらいしか見えないです」</p>

<p>望遠メガネ、実に奥が深い。</p>

<p>第二回実験はここまで。</p>

<p>翌日の第三回実験では、<b>蟻視点メガネ</b>を屋外で着用してみることにした。靴の先にカメラを付けたまま、草むらの中を歩いて、昆虫を探すのである。知具爾汰先生が実験に参加してくれた。</p>

<p>校舎の外に出て、蟻視点メガネを装着してもらう。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc12.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc12-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>レンガ敷きの道を少し歩いて、つぶやく。</p>

<p>「身体イメージは変わらないんですね。足の先に目玉がついた、という感覚」</p>

<p>モーションキャプチャを利用した身体動作の記号化を研究している知具爾汰先生らしきことを言う。</p>

<p>「微妙にレイテンシーがあるのが気になるな」</p>

<p>メガネをつけた片足を地面にすりつけながら歩く。足を上げると、視野がぐらぐらに揺れて何がなんだか分からなくなってしまうようなのだ。</p>

<p>僕も装着してみた。視点の位置が低いので、何もかも大きく見える。そして大学構内の端にあるグラウンドがものすごく遠い。これから昆虫探しに行く草むらはさらにその先にあるのだ。</p>

<p>だが、一歩でかなりの距離を進める。ローラーブレードで疾走したら爽快かもしれない。ちょっとした段差がものすごく高い壁として聳えるが、足を上げれば難なく乗り越えられるのも愉快だ。</p>

<p>「これはまさしく昆虫視点ですよ」と僕が言うと、<br />
「ユクスキュルですね」と知具爾汰先生。<br />
「何ですかそれ」<br />
「いろんな生物から見た世界について研究した人ですよ。昆虫にとって世界がどう見えているか、とか」<br />
「なるほど。生物の視点で世界について考えるわけですか」</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc13.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc13-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>ようやく到達したグラウンドは火星の平原のように荒涼として広大だった。それを無事に横断し、草むらに入る。雑草がものすごく高く、松ぼっくりが巨大だ。その間を昆虫が我が物顔に蠢いている。</p>

<p><a href="/blog/fig/dsakasaetc14.jpg"><img src="/blog/fig/dsakasaetc14-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>ディジタル逆さメガネとその仲間たち。目に見える光景が逆さになったりズームされたりするだけなのだが、やってみると案外面白いのであった。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/09/post_333.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/09/post_333.html</guid>
<category>企画</category>
<pubDate>Tue, 30 Sep 2008 00:05:59 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>パラドックス研究会</title>
<description><![CDATA[<p>「パラドックス研究会」という集まりを開いた。</p>

<p>古今東西のパラドックスに関して、あーだこーだと議論する会である。</p>

<p>三浦俊彦という人が書いた「論理パラドクス」という本があって、有名なパラドクスについてそれぞれ2ページずつくらい説明しているのだが、単に紹介するだけでなく、筆者流の答えが挙げられていて、しかもその答えに時々違和感を感じたりするので、議論の材料としてとても面白い。この本をテキストにしてお喋りする。</p>

<p>「ニワトリと卵、どちらが先か」といった日常的なものから、論理学で有名なラッセルのパラドックスやリシャールのパラドックス、僕が大好きな（このブログにもよく書いている）フェルミのパラドックスなど、多種多様な99のパラドックスが並べられている。</p>

<p>ひとりで読んでもふんふんで終わってしまうので、皆で議論すると面白いだろうと思った次第。</p>

<p>順番に出題者になって、他の参加者に回答を求める。ヒントを出したり答えを評価したりしながら進めていくのはTRPGのような感じでもあった。</p>

<p>最初、かなり寒い会になるのではないかと不安だったのだが、おおいに盛り上がり非常に面白かったので、またやりたいと思う。</p>

<p>同じ著者による「論理サバイバル」という本もあって、こちらもパラドクス集だが僕はまだ読んでいないので、次回はそれも使うかも知れない。</p>

<p>こういう議論にご興味をお持ちの方いらっしゃいましたら、ぜひご連絡いただけましたら。（メアドは tez@sings.jp）</p>

<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=qemfewrv-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4576021664&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>

<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=qemfewrv-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4576030779&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_330.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_330.html</guid>
<category>企画</category>
<pubDate>Mon, 17 Mar 2008 00:10:59 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>季節の変わり目の出張</title>
<description><![CDATA[<p>宮崎に行って、東京に行った。五日間京都を離れていたら、いつの間にか春になっていた。暖かい。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_329.html</link>
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<category>出来事</category>
<pubDate>Fri, 14 Mar 2008 01:05:59 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>右手で携帯メールを打てないことに気づいた。</title>
<description><![CDATA[<p>携帯メールに関しては僕は左利きということになる。</p>

<p>みんな左利きなのかと思って周囲を見回してみたが、両方いる。半々くらいか？</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_328.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_328.html</guid>
<category>思ったこと</category>
<pubDate>Tue, 11 Mar 2008 22:31:58 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>2時間ずつくらい違う予定を入れると、一日が長く感じられると思った。</title>
<description><![CDATA[<p>2時間を区切りにして予定を入れていくと、一日が充実して感じられるとこの前思った。</p>

<p>今日は8つくらい出来事があったぞ、みたいな。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/2.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/2.html</guid>
<category>思ったこと</category>
<pubDate>Sat, 08 Mar 2008 00:26:16 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>尼さんと逆さめがね</title>
<description><![CDATA[<p>ある日、やってみよう研究所の所長をしている僕の所に以下のようなメールが届いた。</p>

<hr width=400 align=left>
<font size=-1>やってみよう研究所所長様

<p>はじめまして、こんにちは。<br />
私は浄土宗の僧侶をしておりますSWまっきーと申します。</p>

<p>「やってみよう研究」ブログ楽しく拝見致しました。<br />
所長様の様々なご活躍、ユニークな着眼点、発想、展開<br />
行動力に大変感銘を受け、メールを致しました次第です。</p>

<p>私自身も好奇心旺盛な方でして、お寺で様々な企画を<br />
過去に試みたこともあるのですが、（以下略）</font><br />
<hr width=400 align=left></p>

<p>突然の連絡である。</p>

<p>大阪のお寺で僧侶をしている僕より二つくらい年上の女性らしい。</p>

<p>つまり僕は尼さんからファンレターをもらったわけだ。</p>

<p>最初、「隠れキリシタン」で検索して僕のサイトを見つけたらしく、いろいろ読んでいるうちに<a href="http://yattemiyou.net/archive/sakasa.html" target="new30">逆さめがねの記事</a>に興味を持って、実際に作ってみたいとか言っている。</p>

<p>僕自身は作ったことがないのだが、アクリル板を磨けば作れるという情報を送っておいた。</p>

<p>五日後、実際に逆さめがねを作りましたという返事が来た。</p>

<p>きわめて行動が速い。</p>

<p>近々京都に行くので逆さめがね見ませんかとか言う。</p>

<p>そういうわけで平日の夕刻、四条烏丸の大丸の前で待ち合わせした。大学時代の友達が日本画の個展をしているとかで、見に来たのだそうだ。その友達と一緒に大丸入り口で待っておられた。</p>

<p>最近の尼さんは皆そうなのかも知れないが、髪は落としていない。いたって普通に大丸で買い物していそうな若い女性である。</p>

<p>残念。女スキンヘッドが逆さメガネ掛けて街を行くサイバーな構図を期待していたのだが……。</p>

<p>お友達はK本さんと言って、大学時代に二人とも日本画を専攻していたらしく、同じ部屋で二年間暮らしていたとか。濃い繋がりだ。</p>

<p>とりあえずK本さんの日本画を見に行く。大丸６階である。<br />
主に花の絵を描かれているようで、春らしい作品が並んでいた。</p>

<p>おもむろにまっきーさんが逆さめがねをバッグから取り出した。</p>

<p>「これです」</p>

<p>二つ並べられたアクリルの三角柱に段ボールを付けて、頭からかぶれるようにしてある。</p>

<p><a href="/blog/fig/sakasa-amen1.jpg"><img src="/blog/fig/sakasa-amen1-small.jpg" width=400></a><br></p>

<p>「自分で磨くのは大変だなと思ったので、ネットで探したら東京の葛飾にアクリル街みたいのがあって。一番安い所に頼んだんです」</p>

<p>段ボールの部分は自作。工作好きである。</p>

<p>「これ掛けたらデッサンの歪みとか一目瞭然やで」とK本さんに説明する。</p>

<p>少し実用を兼ねている。実際、人間の視覚というのは想像で補われている所がかなりあるのか、逆さめがねを掛けて見てみると微妙に違って見えることが結構あるのである。合っているように見えているデッサンも、逆さに見たら微妙な歪みが見える。</p>

<p>まっきーさん、さっそく逆さめがねを掛けて大丸６階を歩く。画廊の間を歩く。</p>

<p>百万円くらいしそうな壺の横を逆さめがねを掛けたまま颯爽と通り過ぎる姿に僕ははらはらしていたが、その歩きっぷりは堂々としたものであった。</p>

<p>まっきーさんが副住職をしているお寺は阿メン寺といって、堺の旧市街にあるらしい。</p>

<p>阿メン寺<br />
<a href="http://ha6.seikyou.ne.jp/home/osarukun/zatuwa24-2.htm" target="new200">http://ha6.seikyou.ne.jp/home/osarukun/zatuwa24-2.htm</a></p>

<p>「お寺の名前が『アメン』でしょ。『アーメン』みたいでしょ。だから隠れキリシタンの寺だっていう話があるんですよ」</p>

<p>嬉しそうに言う。</p>

<p>いや、ちょっと待て。</p>

<p>隠れキリシタンが自分たちの寺に「アメン」なんて名前を付けるだろうか。いくらなんでもそれはバレすぎだろう。</p>

<p>官憲をなめすぎである。</p>

<p>もっと隠れろ。</p>

<p>「焼けちゃったから記録が残ってないんですけど、堺で一番船着き場から近い場所にあるし、昔キリスト教の伝道師が来た時、布教の拠点にしていたんじゃないかって言われていて」</p>

<p>キリスト教OKの頃に付けちゃった名前を変える訳にもいかず、そのままになっているということか。それならありえるかも知れない。</p>

<p>まっきーさんはお寺のスペースを利用して、子供向けの絵画教室を開いているらしい。彼らに逆さめがねを体験させる会を開きたいとか言っている。</p>

<p>逆さめがねの面白さはずっと掛け続けることにあると思うので、僕はまっきーさんの手で安価で軽量な逆さめがねが開発されることを強く願ったのであった。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_327.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_327.html</guid>
<category>出来事</category>
<pubDate>Mon, 03 Mar 2008 23:24:47 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>意識のソフトウェアメタファー２</title>
<description><![CDATA[<p>小関が仕事で京都に来ていて飲まないかというので、躁狂やハルカ氏を呼んで四条で飲んだ。</p>

<p>最近気になっていることを相談してみる。</p>

<p>「意識はソフトウェアのようなものであるという喩えがあるじゃない。ひとつのメタファーなわけだけど、すこぶるもっともだと思う。でもこれから先、もっといいメタファーが出てくるのだろうかというのが気になるんだけど」</p>

<p>「データじゃないんですか」すかさず小関が言う。</p>

<p>「ソフトがプログラムとデータに分かれるってこと？」</p>

<p>「ええ」</p>

<p>「言い換えると記憶のことか。それならあるかも知れないな」</p>

<p>だが、解釈するプログラムが決まっているからこそ、データは意味を持つという気もするが。</p>

<p>小関が続けて言う。</p>

<p>「人間の思考とかって案外単純なものなんじゃないかと思ったりするんですよ。大量のコーパスを用意してやれば、文法を理解していなくても日本語っぽい文章を作れるようになってきてますよね。手塚さんの行動を大量に蓄積していったら、手塚さんっぽい行動をするマルコフ連鎖が作れるでしょ。まわりの人はそれを見て『あ、手塚さんがまたあんな行動を』とか言って、すごく自然に受け入れてくれるはずですよ」</p>

<p>たしかにそれなりに模倣できるような気もする。</p>

<p>問題はそのマルコフ連鎖が意識を持つかどうかだが……。</p>

<p>「ニューラルネットを学習させて僕の行動を模倣させるようにしたら、そいつが意識を持ってもおかしくないような気がするんだけど、マルコフ連鎖を学習させたら意識を持つって考えると無性に気持ち悪くない？ なぜだろう？」</p>

<p>一部のニューラルネット（ボルツマンマシンとか）はマルコフ連鎖で表されたりするというのに。</p>

<p>「並列性が無いから？」とハルカ氏が言う。</p>

<p>「モデルが見えるのがいやなんじゃないですか」と小関。「ニューラルはひとつひとつの変数の意味が分からないでしょ。マルコフ連鎖はパラメータの意味が分かっちゃうから、『俺はこうじゃない』って思ってしまう」</p>

<p>そういった単純な理由である気もする。</p>

<p>「でもそうやって意識がコピーされるようになったら、まわりの人は手塚さんそっくりだって言うけど、自分は違うって思ってる。そのズレが面白いと思うんですけど」</p>

<p>いろいろ面白いことの起きる時代に生まれたものだ。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_326.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/03/post_326.html</guid>
<category>出来事</category>
<pubDate>Sat, 01 Mar 2008 00:47:16 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>京阪電車がなぜ良いか</title>
<description><![CDATA[<p>夕方、京阪に乗って大阪まで行った時、なぜ自分が京阪電車を好きか少し分かった気がした。</p>

<p>ちょうど日暮れの時間帯。</p>

<p>遠くで雪が降っている時によくそうなるのだが、空の薄桃色がいつもより高くまで染められ、まるで周囲を淡いヴェールの筒に包まれたような夕刻。</p>

<p>京阪電車は低い民家や畑の間を緩やかなカーブを描きながら走っていく。</p>

<p>その時、京阪の良さはこのあたりの風景にあるのではないかと思ったのである。</p>

<p>阪急やJRで京都から大阪に行く場合、最初から最後まで似たような郊外住宅地の景色が続き、関西大都市圏が果てしなく広がっているという印象を受ける。</p>

<p>だが、京阪は違う。京阪は名前の通り、京都という都市と大阪という都市を結ぶ列車なのである。そしてその間には畑と田んぼの世界が広がっている。</p>

<p>中書島を過ぎれば京都の端まで来たことを告げる工業地帯が続き、宇治川・木津川・桂川の三川が合流するあたりはどこの秘境かといった趣きである。</p>

<p>田園風景の中に最近建てられたと思われる高層マンションが背伸びしていて、空は広く、大阪のビル群は地平の遙か彼方に見えるのみ。</p>

<p>だが、そこから五分も走れば列車はふたたび沿線住宅街に飲み込まれていく。門真や守口では松下の工場が建ち並んでいるが、次第に高い建物の割合が増え、線路は高架になって、ビルに挟み込まれるような形で京橋に着くのだ。</p>

<p>それは半時間ほどの移動に過ぎないにも関わらず、ひとつの都市から別の都市へと移動したことを確かに感じさせるのである。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/02/post_325.html</link>
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<category>思ったこと</category>
<pubDate>Wed, 27 Feb 2008 22:57:09 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>集中力を高める工夫</title>
<description><![CDATA[<p>この一週間かなり忙しく研究室に籠もってかりかり仕事していたのだが、締切が近づくと集中力が増すというのは本当に不思議である。人間はそういう風にできている。</p>

<p>だが、締切が遠い時にも集中力を高める工夫というのはいろいろあると思っていて、この機会に自分が普段行っている工夫を書いてみようと思う。何かいい工夫を皆さんご存知でしたら教えてください。</p>

<p><br />
1. 集中力が切れかけた時はこまごまとした単純作業を入れる。</p>

<p>単純な作業、しかしいつかはやらなくてはならない作業を行う。やっているうちにまた集中力が戻ってくる。人間には単純な作業によって集中力が高まるという側面があるのではないか。だからこそゲームに熱中するとか。僕の場合、よくやっているのが「お茶のパックを作る」である。200グラム入りの袋を小分けにして、一度に10個ほどのパックを作る。僕は日々ものすごい量のお茶を飲む人なので、この作業は毎日のように行わなくてはならない。だから時間を無駄にした気もせず、一仕事済ませた充実感とともに本来の仕事に戻れる。こういった作業は常にいくつかストックしておくといいのではないかと思う。</p>

<p><br />
2. 集中力が切れた時は場所を変える。</p>

<p>これには「研究室の中で場所を変える」と「どこか外で仕事する」の二種類ある。究極は「電車に乗りながら仕事する」である。これは自動的に場所が変わっていく。</p>

<p><br />
3. たまに生活時間帯を変える。</p>

<p>これは最近はあまりやっていないが、比較的自由に生活時間を選べた頃、朝型から夜型に切り替えたり、その逆を行うと、一日がすごく長く感じられて得した気分になる。「夜ってこんなに長かったんだ」「午前中ってこんなに長かったんだ」みたいな。その高揚感と共に集中力が持続する。</p>

<p><br />
4. 午後は人と会う予定を入れるといい。</p>

<p>僕の集中力サイクルは午前中と夜に高く、午後は意識が薄れて眠くなりがちである。そういう時間帯には人と会う用事や、打ち合わせを入れるといい。人と話している間は眠くなることがない。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/02/post_324.html</link>
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<category>思ったこと</category>
<pubDate>Fri, 22 Feb 2008 00:13:00 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>人間の意識について（ソフトウェアメタファー）</title>
<description><![CDATA[<p>人間に意識が存在するというのはすごく不思議なことだと思う。</p>

<p>だが、そもそも意識とはどういうものなのか、定義しろと言われると困ったりする。</p>

<p>こういう捉え所のない概念について考える時には、メタファーというアプローチが有効だったりする。</p>

<p>おそらく現代において意識を語る上でもっとも強力なメタファーのひとつは「ソフトウェア」だろう。</p>

<p>「人間の意識というのは脳の上で実現されたソフトウェアである」というのは多くの人が主張している。意識を別の媒体にコピーするという発想も出てきているが、それもソフトウェアならではのものだろう。</p>

<p>哲学にくわしい友人の好奇人に言わせると、「ソフトウェア」という概念が出てくる前、人間の意識を語るのに頻繁に使われたメタファーは「機械」だったのだそうだ。</p>

<p>その後、知的な機械をソフトウェアとハードウェアに分けるという考え方が生まれて、やっぱ人間の意識はソフトだよね、というのが一般的になった。</p>

<p>それからかなりの時間が経つ。</p>

<p>僕が今期待しているのは、近いうちにさらに有効なメタファーが出てくることだ。</p>

<p>もちろん、機械がハードウェアとソフトウェアに分かれたように、ソフトウェアがさらに細かく分かれるという可能性もある。</p>

<p>先日、SF作家の北野勇作先生からお聞きして面白いと思ったのが、現代のコンピュータのアーキテクチャないしプログラミング言語（手続き型言語）は自由意志を持った人間をモデルにしているという指摘。「Aという条件で分岐してBを実行して……」というのは確かに人間の意思決定プロセスと似ている。今まで人間がやってきた仕事の流れをコンピュータに移植しようとするから、そんな形になるのだろう。</p>

<p>そういう段階的な手順を踏まないアーキテクチャが意識の新たなメタファーになるのかも知れない。並列処理メタファー、ニューラルネットメタファー。はたまた統計力学メタファーか。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/02/post_323.html</link>
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<category>思ったこと</category>
<pubDate>Wed, 20 Feb 2008 02:22:43 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>今日の感想</title>
<description><![CDATA[<p>文科省の人に夜中の12時にメールで報告を送って、30分後に返事が帰ってくるような時。</p>

<p>この国はきっと大丈夫だ、とか思う。</p>]]></description>
<link>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/02/post_322.html</link>
<guid>http://yattemiyou.net/blog/archives/2008/02/post_322.html</guid>
<category>思ったこと</category>
<pubDate>Tue, 19 Feb 2008 00:54:27 +0900</pubDate>
</item>


</channel>
</rss>