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« 教育が忙しくて研究できないと思っている人、研究が忙しくて教育できないと思っている人はぜひ「研究推進と人材育成のポジティブな関係を考えるフォーラム」へ | トップページ | 「楽しくなければ革命ではない」 蜷川さんの活動が韓国で話題に » 2010年03月20日生命・知能・計算機土曜、東京に就職するひらたさんのお別れ会。大学の構内に生えていたという珍しいきのこの鍋を食す。 採集してきたのは人工生命を研究している高橋先生。職場は僕の家の近所らしく、滋賀の山奥の研究所で生態系の進化をシミュレートする研究をされている。捕食者の存在によって種の分化が生じるといった結果などが得られているそうだ。 それから小脳の発生を研究している喜多さんと話す。大脳に比べて進展が遅れているそうだが、組織の構造が単純そうなだけに、発生の過程を綺麗に定式化できる日は近いのではないか。空間的構造の形成において本質的なのはおそらくタイミングの情報であろう。遺伝子にいかに時間情報がコードされているかに興味が持たれる。タンパク質そのものが持っているのか、あるいはそれ以外の領域が担っているのか。 ひらたさんは最近量子計算にはまっているようだが、むしろ素粒子論の最新の知見を計算機に利用してもらいたいところ。 日曜、昔の後輩の中戸くんもまた東京で就職するということで、三条で食事。彼は博士課程の間、DNAのホモロジーを高速に探索するアルゴリズムを作っていたのだが、四月からは大量の実験データを解析する研究室に所属することになるとのこと。DNAにはタンパク質以外の形でファンクショナルな領域が相当多い。データマイニングを駆使してそれらの働きを明らかにするのは非常に有意義だと思う。 月曜と火曜、西川先生や小林先生、篠本先生が開催された神経計算のワークショップに顔を出す。ニューロンが運ぶ情報の表現として適切なのはどのような統計量なのか。統計量の間の優劣はどのように決めるべきなのか。高度に抽象化された議論と手堅い実験結果の報告の混在が面白い。 木曜、古結さんたちとブラジル料理店で飲み会。古結さんは多体系の挙動、たとえば組織の発生をシミュレーションによって理解するというアプローチに非常に懐疑的。観測された現象そのものを再現することはできても、パラメータを僅かに変えた時に正しい結果が得られるというのは大変難しいのではないかと言う。遺伝子による制御を巧妙な情報処理と捉えて利用するのであれば、実験装置と一体化された形の計算機が必要になるということか。 偶然だが生命や知能の情報処理に関する話ばかりしていた週。 情報技術の発展は農業の誕生・産業革命における工業の発展に並ぶ第三の技術革新と言われたりするけれど、それどころの話じゃないだろう。 生命の誕生・高等生物における知能の発生に続き、宇宙百五十億年の歴史において三度目の画期的な出来事に立ち会っているのだと思う。 Posted by taro at 2010年03月20日 12:50 « 教育が忙しくて研究できないと思っている人、研究が忙しくて教育できないと思っている人はぜひ「研究推進と人材育成のポジティブな関係を考えるフォーラム」へ | トップページ | 「楽しくなければ革命ではない」 蜷川さんの活動が韓国で話題に » |
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