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2009年10月25日

太陽を見る目が変わる

Researcher Zukanのインタビューで花山天文台に行った。

東山の山頂にあり、昔は惑星観測にも利用されていたらしいのだが、山科の住宅地開発に伴い夜間の観測はできなくなり、現在はもっぱら太陽観測に使われている。

こちらで太陽の研究をされている磯部洋明先生にインタビューを行った。

電磁流体のシミュレーションで黒点の挙動を予測するというのがご研究の内容だが、応用としては「宇宙天気予報」がある。

太陽の表面では時折、フレアと呼ばれる強烈な爆発が生じている。その時に強い紫外線やX線が放たれるのだが、地球は大気圏や地磁気に守られているため、その直撃を受けなくて済む。しかし宇宙空間ではフレアの影響はすさまじい。

現在の宇宙服では十分に防ぐことができず、被爆してしまう。そのため船外活動を行っている宇宙飛行士はフレアが発生することが分かったら、すぐに宇宙船の影に避難しなくてはならない。

幸いにしてフレア発生の予測技術は徐々に進んできている。

太陽はプラズマの流体であり、その表面には渦が存在する。電荷を帯びた渦が回転することで磁石が生じ、エネルギーの放出を抑えて相対的に暗くなっている部分が黒点である。

黒点同士が接近すると、エネルギー的に不安定な状態になり、ある時点で磁力線のつなぎ替えが生じる。これによって大量のエネルギーが放出されるのがフレアである。

このような現象は核融合炉でも生じるらしく、安全な核融合を行うためにも重要な研究らしい。

観測技術やシミュレーション技術を駆使し、フレアの発生を予測しようというのが宇宙天気予報である。

X線や紫外線で撮影された太陽の映像を見せてもらったのだが、目で見て分かる大きさで表面が爆発を繰り返し、とてつもなくダイナミックである。磯部先生は学生時代にこの映像を見て、太陽研究者になろうと決めたらしい。

実際、僕も太陽を見る目がかなり変わった。人間は残念ながら紫外線やX線を見ることができず、そもそもX線は地表まで到達しないのだが、もし人間が太陽のこのような姿を肉眼で見ることができていたなら、太陽に対するイメージは大きく違っていたのではないかと思った。

地球で暮らしている限り、太陽は白く輝く球体で良い。だが、人類が宇宙に本格的に進出していく時代においては、激しく燃えるプラズマの炎と見なくてはならないのだ。

Posted by taro at 2009年10月25日 23:12

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