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« 鹿狩りしてきた。 | トップページ | 僕らの知らない楽しみ » 2007年09月27日標語のうまいお寺職場の近く、御幸町竹屋町を下がった所に浄慶寺という小さなお寺がある。観光寺院ではないため、おそらくガイドブックには載っていない。 お寺の玄関先にはよく掲示板があって、仏典から引用したような抹香臭い言葉が掲げられているものだが、このお寺の標語は不思議とうまくできたものが多く、たびたび感心させられた。 あいにく最近はあまり更新されていないようで、 「人は欲に溺れて道を誤る」 という標語が掛かったまま、長いこと経つ。ちょっと寂しく思っていた。いろんな人に紹介しようと思っていたのに、機会を失った形である。 ところが先日、専攻の飲み会が行われた際、K山先生が突然、「御幸町竹屋町の近くに面白い標語を載せてるお寺があるんですよー」などと言い出した。「毎月楽しみにしていたのに。でも、何って書いてあったかは全部忘れました」とのこと。 あれを面白いと思う人は結構いるのだなと知ったので、3年くらい前に書いたメモを発掘し、以下に載せておく。
「愚かが 愚かに気付いて 利口になったつもりの このどうしようもなさ」 読んで、考えて、思った。これはなかなかよくできている。いったい誰の言葉なんだろう? 住職が考えたのか、あるいは仏典から引用したものなのか。おもわず立ち止まってしまった。 寺の門には低い柵が立てられていて、その向こうに手入れの行き届いた小さな中庭。奥に本堂。右手に母屋、左側は蔵だ。表札には「浄土真宗・浄慶寺」と書かれている。茶色くて胴の長い小さな犬がトコトコと走ってきて、柵の前でしきりに吠えた。インターホンのチャイムを押すと、スピーカから「はい」と男の人の声。同時に、建物の中から直接、女性の声がする。やがてエプロンをかけ、丸くて大きな眼鏡をかけたおばちゃんが出てきた。住職の奥さんだろうと僕は判断した。マンガに出てくるおばさんのような大げさなパーマ。若干緊張しながら、 「突然すいません。玄関先の掲示板に書かれている言葉に感銘を受けまして……」 どう対応したらいいのだろう、という顔をされる。 「出典を教えていただけませんでしょうか」 意外な気がして、 「お寺の掲示板に書かれた言葉って、出典が決まっているものかと思っていました」 そう語る口調は、心なしか力強かった。おばちゃんは続ける。 「生活に根ざした言葉じゃないといけないと思うんですよ。だから、人の言葉だとか、本で見つけた言葉とか。それから別のお寺の掲示板を見てね。ふんふん、と感じたものがあると、メモに取っておくんです」 と、さりげなく言われ、 「え。ということは昔はご住職をされていたわけですか」 からかうように言うので、 「いえ、いや、そんなことはないんですけど……。では、その頃は髪も剃られていて?」 おばちゃんはボリュームのあるパーマに手を当てながら、 「真宗ですから、髪は落とさなくてもいいんです」 そう言って笑った。この元住職の説法なら、聞いてみたい気がした。 「掲示板の文字は、どれくらいの頻度で変えられるのですか?」 これもなんとも柔軟である。 「次のを楽しみにしていますね」 ひとつ楽しみが増えたと思いながら、お礼を言ってお寺を後にした。 Posted by taro at 2007年09月27日 20:04 |
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コメント
はじめまして。街宣車に乗られた話がどこかのサイトで紹介されていたのをきっかけに時々見させていただいております。私も東京出身で縁あって現在は京都に住んでいるものですが、私自身の出不精な性格と京都の閉鎖的な社会性故か8年も住んでいながら、京都の事は殆ど知らないもので、所長さんの積極性と探究心には大変感銘を受けながら毎回読ませていただいております。
これからも楽しみにしております。
Posted by: impromptu at 2007年10月04日 04:08
書き込みありがとうございます。
京都というより関西の雰囲気が好きで、いろいろ探求してしまっています。個性的な人が多くないでしょうか?
これからも探求を続けていきたいと思います。今後ともどうかよろしくお願い致します。
Posted by: taro at 2007年10月04日 23:23
