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2007年03月20日

野鳥の習性 (湖北野鳥センター)

琵琶湖の北、湖北町に「湖北野鳥センター」という施設があり、去年の夏に行って以来、非常に気に入っています。

長浜よりさらに北、あと少しで福井県というあたり。ここまで来ると琵琶湖の水はとても澄んでいて綺麗です。

実は知り合いが以前、「琵琶湖で増えすぎたカワウを何とかする方法」という研究をしていて、その時は「ふーん」という感じだったのですが、実際に野鳥センターでカワウの圧倒的な大群を目にしてみると、その研究の意義が実感できました。

ここでカワウが見られるのは主に夏。一方、冬の間はシベリアからやってくるコハクチョウが有名。

館員さんたちが常時三人くらいいるのですが、とても丁寧に説明してくれて、野鳥への深い愛が伝わってきます。

野鳥センターは琵琶湖の東岸に位置するため、午後になると逆光で鳥の姿がシルエットになってしまうそうで、見に来るなら午前中の方がいいとのこと。

以下、教えてもらった様々な鳥の特徴。その時取ったメモの書き写しですが。


【カワウ】

琵琶湖で増えすぎて問題になっている。湖面を大群で飛んでいく様は圧巻。

琵琶湖に浮かぶ竹生島は昔はアオサギの営巣地だったが、いつの頃からかカワウが増えていった。
天敵がいないということで、全国から集まってきたようである。
大きな群れで行動することにはメリットがあって、一羽がアユを見つけたらみんなが食事にありつける。アユも群れているから。
冬場、餌が少なくなると琵琶湖からいなくなる。大阪や東京、鳥取まで行っているらしい。

水に潜って魚を掴まえるのが非常に上手く、その性質を利用したのが鵜飼い。
ただし長良川の鵜飼いはカワウではなくウミウ。カワウよりもトレーニングしやすいらしい。

カモなどと違って羽毛がそれほどびっしり生えていないので、時々羽根を広げて乾かしている。
そうしなくても飛べるが、重たいし、体温を奪われるので、陸に上がって乾かすという習性がある。

冬場は外来魚のブラックバスを捕まえてくれるのでありがたいが、夏はコアユも食べてしまう。
口がものすごく大きく開き、70cmもあるウナギを掴まえたりもする。
一匹が一日500gの魚を食べるため、すべてのカワウが食べる量を合わせると、琵琶湖の漁師さんの漁獲高以上になる。

営巣する地域では糞尿に含まれる酸のせいで木を枯らしてしまう。
竹生島は増えすぎたカワウのせいで禿げ山になってしまった。
滋賀県では毎年一万羽のカワウを散弾銃などで駆除している。
しかしこれらのカワウは滋賀県で増えた訳ではなく、全国で住む場所が無くなって集まってきているとのことなので、ちょっと皮肉。滋賀県はカワウの最終処理場か。

「カワウの天敵は何ですか」
「カラスかな」
「カラスが一番強いんですか」
「うん。賢いからね。執念深いし」


【トビ】

カラスと同じで、自然界の掃除屋。
猛禽類だが、あまり狩りはしない。落ちているものを拾う。人が食べている弁当をさらっていったりする。
たまにオオタカが掴まえた獲物を横取りすることもある。トビの方がオオタカより体が大きいため。

近くに港があり、漁師さんが捨てた魚(ブラックバスなど)が流れてくるので、それを目当てに集まってくる。
山ではなく餌場の近くに巣を作る習性があるため、琵琶湖の中州にも巣がある。
毎年巣を大きくしていく習性がある。

カラスとトビはよく戦っている。食べ物や住む場所が一緒のため。カラスはトビの雛をよく食べたりする。カラスの方が賢いので、何羽かのカラスにトビが追い払われることが多い。


【ガン】

冬鳥。つまり冬の間日本で過ごし、春になるとシベリアに移動する。夏のシベリアの湿原は虫が多く、肉食獣も入って来ないため、繁殖には最高の場所。

大きな編隊を組んで移動するが、その最小単位が家族。10くらいの家族が集まって編隊を作る。
夫婦は一生連れ添う。寿命は20年くらいと言われている。生まれて初めて見たものを親と思う習性があり、ついていく。

カモと違って大きな群れで鳴きながら飛んでいくので、昔から季節を春秋の風物詩になっている。童話の「ニルスの冒険」に出てくる。

小林一茶の句
「けふからは 日本の雁ぞ 楽に寝よ」

湖北センターで冬場よく見られるのはオオヒシクイと呼ばれるガンの一種。ガンを家禽化したのがガチョウ。


【マガモ】

冬鳥。日本で冬を過ごす。しかしガンと違って、家族単位で行動しない。一匹ずつ北に飛び去る一方で、南からやってきたカモが琵琶湖で休憩するため、いつ渡りを始めたのかが分かりにくい。

秋には北からばらばらに飛んできて、琵琶湖でペアを作り、春になると連れ添って帰っていく。しかし北国で卵を産むと夫婦関係を解消。子供がある程度育つと親が子供より先に南に向けて旅立ってしまう。子供はその後、自力で日本までやってくる。寿命は10年くらいと言われている。

カルガモとの外見上の違いは、雄の頭が緑色であること。マガモを家禽化したのがアヒル。アヒルとマガモの掛け合わせがアイガモ。最近、マガモとアイガモの交雑によって、日本で繁殖するマガモ(混血)も増えてきている。

マガモやカルガモは陸ガモと呼ばれ、夜行性のため昼間は湖面で生活しているが、夜になると田んぼまでやってきて落ち穂を食べたりする。幸い、米の収穫期の頃は水草で満足していることが多く、田んぼに来るのは冬なので、それほど害鳥扱いされることはない。鴨取り権兵衛。「昔話というのは案外、鳥の習性をうまく捉えていますよ」と館員さん。

陸ガモの仲間は全身を水に潜らせることができないため、水面に尻を突き出して水草を食べている光景がよく観察される。


【カルガモ】

留鳥。日本で繁殖。そのため子連れの姿をよく見かける。雄も雌も地味な茶色。


【キンクロハジロ】

潜水ガモと呼ばれ、潜るのが得意。しかしカワウと違って魚を追いかけることは少なく、湖底の貝などを食べる。そのため、水に潜っても同じ場所から浮き上がってくることが多い。目が金色、体は黒く、横の羽根が白いのでキンクロハジロ。頭の後ろに寝癖のような冠羽が突き出ている。


【コハクチョウ】

湖北町の鳥。冬鳥。オオハクチョウより若干小さい。首が長いのは深い所の水草を食べられるように適応したもの。ガンと同様、家族単位で暮らしている。


【オオバン】

真っ黒の鳥。人間が近づいていってもあまり気にしない。一日中、水草を食べている。


【カイツブリ】

滋賀県の鳥。別名「鳰(にお)」。琵琶湖は昔、「におのうみ」と呼ばれるほど、カイツブリが多かった。しかし、葭原の減少とともに減っていった。

雛を背中に乗せる習性がある。雛も泳げるため、親の背中は休憩所という感じ。雛の大きさは親指くらい。水に潜って小魚・小エビ・貝などを食べる。

カンムリカイツブリは水面で向き合って求愛ダンスをする習性があり、初夏にその光景がよく見られるらしい。


【サギ】

毛が艶のある白であり、綺麗。水に潜ることはなく、足の届く深さの所までしか行かない。

アオサギ(足が長くて白いサギ)は待ち伏せするが、シロサギ系統は自分でこちょこちょ歩いてえさを探したりする。
コサギはアオサギより足が短く、胸からふさふさした白い毛が生えている。
ゴイサギ(青くてずんぐりしたサギ)は夜行性。


【ツバメ】

夏鳥。冬の間は東南アジアにいる。冬鳥の多くがシベリアで繁殖するのに対し、夏鳥は日本で繁殖する。ホトトギスやウグイスも夏鳥。東南アジアから渡ってくる。

水草や貝を食べる冬鳥と違い、夏鳥の多くは虫を食べるため、山でよく見られる。湖北野鳥センターでは観察しにくい。例外は水辺に巣を作るオオヨシキリくらい。

ツバメの寿命は3年から5年くらいと言われている。

「今年もツバメが軒先に巣をかけた」と言ったりするが、別のツバメである可能性が高い。


【ハクセキレイ】

夕方、都市部の特定の街路樹に大量に群がってちゅんちゅん騒がしく鳴いている鳥の群れはハクセキレイではないかという。

集団で一本の木に群がって寝る習性がある。他の鳥と違い、都心の明るい場所でも気にしない。

群れて寝るのは、「目がたくさんあるので、外敵が来たときにすぐ気付けるため」。

Posted by taro at 2007年03月20日 22:38

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