-->

« デジタル逆さめがねを作ってみた。 | トップページ | ライフログ検索が重要になるのではないかという予想 »

2006年09月12日

ヨーロッパにおける研究費獲得の方法

クラクフで国際会議に参加していた折、カールスルーエ大学のクリンク先生と知り合いになった。情報検索を研究している三十代の助教授。

発表をまめに聞いてまわり、熱心に質問もしている。だが、それだけではないらしい。

「会議に来ると、ソーシャルネットワーク的な活動で忙しいんだ」

オンラインのソーシャルネットワークで遊んでいる訳ではなく、いろんな人と知り合いになり、話し合いをするということ。

なぜかというと、EUの政府から研究費を獲得するためには、申請者グループの中に最低でも五ヶ国、しかも東西南北それぞれの地域から最低一ヶ国ずつ研究者が参加していなくてはならないとか。

各国政府からの予算もあるが、それは金額が小さいため、やはりEUの予算を狙っていくことになる。そのためには研究者間でテーマのすりあわせを行い、ひとつの大きな目標を描かなくてはならない。それぞれの興味は異なるので、まとめる作業はなかなか大変である。

以前、別の先生も「アメリカは競争で予算が決まるが、欧州は協力で決まる」と言っていた。

そんな政治的な配慮で決められて大丈夫なのだろうかと少し心配になる。

ちなみに日本の場合、以前は学者の国会と呼ばれる学術会議という所が予算の作成に関わっていたため、内輪の力関係に影響を受けつつも、それなりにアカデミックな価値観で動いていた。しかし、近年の首相権限強化の流れに伴い、総合科学技術会議という組織が決定権を持つようになった。これには首相や大臣などの非研究者も参加しているため、

「この研究によって五年後にどれだけの経済効果が生まれるのか」

などという予想外の質問が出され、文科省の役人が答えに窮することが多いとか。

そのため、あらゆるタイプの質問に答えられるように、申請書に記入する項目が異様に増えてきているらしい。

そういう仕事が僕の所まで降りてきて、結構大変だったりする。

Posted by taro at 2006年09月12日 00:04

« デジタル逆さめがねを作ってみた。 | トップページ | ライフログ検索が重要になるのではないかという予想 »

コメント

コメントを書き込む



(←スパム対策です。アルファベット小文字(半角)でyesと記入していただけますでしょうか)


(コメントには表示されません。管理者(taro)にのみ伝わります)


プロフィールを記憶させますか?

(HTMLタグが使用可能です)