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« 日米開戦回避工作 | トップページ | テンペ » 2006年08月02日KGC月例飲み会+研究発表会、ロールズの政治哲学、セルフリスペクト未来社会の多様性を高めるシンクタンク KGCの月例飲み会に行ってきた。 毎月一回行われるこの飲み会は、研究発表会を兼ねている。 今回は法学部で院生をしているK藤さんが発表されていた。 法学部というのは現実主義者が非常に多い所だそうだが、哲学的なことに興味がある人、現実社会の利益以上のものを追い求める人は皆、吹き寄せられるように同じ研究室に集まってくるので、普段から議論の相手には事欠かず、なかなか面白い場所なのだそうだ。 K藤さん自身の研究テーマとは異なるそうだが、研究室の教授がその著作を翻訳している有名な政治哲学者、ロールズ(John Rawls)という人の思想について発表が行われた。 1970年代頃から有名になった人で、アメリカで経済格差が広がっていくのに心を痛めたのが研究のモチベーションとなっているらしく、現代日本の状況とも共通するところがあるかも知れない。 社会制度はもっとも恵まれない層の人々の幸せを最大化する maximin 戦略を採るべきだというのがその主張のひとつ。 さらに、「正義原理」という理想を実現するために必要な「基本善(primary goods)」、すなわち「市民が自由で平等な人々であるために必要なもの」として、以下の五つを挙げている。 1. basic rights and liberties, also given by a list; (基本的人権と自由。別掲) 特にロールズは五つ目に力点を置いて述べているという。 K藤さんによると、社会保障など、国民から税金を取ってお金のない人にまわすことを tax and transfer と呼び、恵まれない層の人たちを支援するひとつの方法なのだが、ロールズはこれはあまり良くないと主張している。 なぜかというと、それによって傷つけられる自尊心のダメージが意外と大きい。 自分は恵んでもらっているのだという意識が人間を苦しめてしまう。 それならむしろ、最低賃金を上げるなどといった方法で、誰かからもらっているという意識を与えずに格差を縮める制度の方が良い、という考え方である。 個人的な経験を言えば、昔、夜回りの会という団体でホームレスの人たちに毛布を配るという活動をしていた時、社会保障をもらえる状況にあるのにもらおうとしない人たちが結構いた。生活保護を受けることを勧めても、断ってしまうのである。 人それぞれ事情はあると思うが、人からもらったもので生きたくないという気持ちがあるのではないかという気がする。 最近、ホームレスの人たちが街角で売ってお金を稼ぐための雑誌 The Big Issue をよく見かけるが、その意味でも大変興味深い活動である。 自尊心を満たせる人は幸せである。 それは新しく何かに取り組もうというモチベーションにも繋がるのではないか。 自尊心と書くとマイナスなイメージが付随してしまう気もするので、「セルフ・リスペクト」という言葉を使ってみるのはどうか。 文化の違いか、英語で self-respect と言った場合、日本語で自尊心と言うよりも肯定的なイメージが伴う気がする。自尊心はむしろ self-esteem と対応するのかも知れない。self-respect はそれよりも良い響きがあるように思う。 この横文字を使って、自尊心の啓発活動ができないものか。 女性誌の見出しにも使えそうである。 「自尊心で綺麗になる!」 だとなんだか怖い感じだが、 「セルフ・リスペクトで綺麗になる!」 ならば何とか行けるのではないか。 人はセルフ・リスペクトを持てるべきだし、それを支援する活動や社会制度はもっとあってもいいと思う。 Posted by taro at 2006年08月02日 00:12 « 日米開戦回避工作 | トップページ | テンペ » |
コメント
先月号の「classy」だったか「very」だかセレブ
雑誌が、「自分好きでキレイになる!」特集だったよ。
金持ち主婦らが「もっと私を好きになるために」云々
と一回数万のエステに通ったり、高級化粧品を使う
模様のレポートで、コメントの端々に並々ならぬ
自尊心を感じ、興味深かったです。
この例はTaroくんの思うのと、ちょっと違いそうだねw
Posted by: mipomipo at 2006年08月08日 21:26
いや、僕が思っているのとかなり近いかも知れません。
自分は美しいという思い込みや、他人から美しいと思われているという自負など、
自尊心の満たされた状態が人を美しくしうるような気がするのです。
褒められることは大事です。
Posted by: taro at 2006年08月08日 22:42
