「といっても、俺らのところは、かなり良心的。
バック制といって、売れた分だけ納めさせるシステム。
他では買い取り制を採っているところもある。
これだと、最初から末端に大量のチケットを買い取らせる。
たくさん売れたら末端の儲け、売れなかったら
負担は末端が被る」
「バック制にも何種類かあって、俺のとこは
チケットの通し番号ですべて管理してるけど、
自己申告のとこもある」
すでに一つの商売である。
彼らはいわばダンパシステムの経営者だ。
どうやってこの“業界”に入ったかを聞くと、
なかなか面白い答えが帰ってきた。
Y君の場合、はじめ友達に連れられて
ダンパに参加し、スタッフルームに
可愛い子がいるのを見て、自分もやろうと
決めたそうだ。そして自分でビラを作って
学校に貼った。どうやって始めたら
いいのかわからないから、とりあえず
「もうじきダンパやります」とだけ書かれた
ビラを貼った。
そしたら数日後、「コマル(仮称)」
というイベントサークルの代表をしている
Mさんという人から電話がかかってきて、
「協力してもらえないか」と頼まれたそうだ。
Y君に言わせると、協力というのは
真っ赤な嘘で、Mさんには利用されただけ。
15万円分のチケットを友人と二人で買い取らされ、
必死で売る羽目になったという。
しかしY君とその友人は「血尿が出るほど」
努力して売ったため、20万円ほどの
黒字を上げたそうだ。
しかし、Mさんにしてみれば、
Y君に声をかけるだけで15万円の収入。
これは自分も幹部になるしかないと思った
Y君は自らサークルを立ち上げ、
現在に至っている。
S君の方は、もう少し上手に立ち回った。
はじめ、地元の滋賀県でダンパを2回開催。
しかし収益は、1回目がほぼゼロで、
2回目は赤字。このままでは
やっていけないと思ったS君は、
自ら「コマル」のMさんの所に赴き、
しばらくの間、末端として働いた。
その後Y君とともに「ミリ」を立ち上げ、
今日に至る。
I君も変わった経歴の持ち主だ。
サークルでコンパを開こうと思って
大学構内にビラを貼り出したところ、
なぜかS君から電話がかかってきた。
「俺らのサークルに加盟して欲しい」
と頼まれ、加盟したが、実際は
大量のチケットを売りさばくことに
なっただけ。
このように、ダンパを主催するサークルが
別の弱小サークルを使ってチケットを大量に
売らせることを、業界用語で「かます」
と呼ぶ。
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