【報告】
道に落ちている十円玉を拾ってみた。

道に十円玉が落ちていた。

思わず拾ってしまったが、次第にいけないことのような気がしてきて、交番に届けた。

「十円玉を拾ったんですけど」

机に頬杖を突いてぼんやり表通りを眺めていたお巡りさんに伝えると、奥の棚からA4版の書類を出してきて、

「ここに住所氏名と生年月日、職業と連絡先を書いてもらえるかな。それから拾った場所と時刻も」

と手際よく説明してくれた。

結構面倒だ。

「この十円玉はどうなるんですか」

「半年と14日間、警察で保管して。落とし主が現れなければ、国庫に納められる」

「毎年それなりの金額になるんですかね。全国で子供たちが拾っているとしたら……」

「なるんじゃないかな」

お巡りさんも暇だったのか、拾われた十円玉を巡る裏話を聞かせてくれる。

「昔のお巡りさんはさ、子供が十円玉拾ってきたら自分の十円を代わりにあげちゃったりしてたけどさ。今は全部書かなきゃ横領ですよ」

十円玉で横領というのも情けない。そういう事件がどこかで起きてくれれば面白いとも思うが。

「でも、子供が持ってきたら親に連絡してね。学校にお礼状出したりすることもあるよ」

親としては嬉しいだろうが、子供は絶対に学校でいじめられそうだ。

そうやって大人になっていくのだろう。

℃ Taro Tezuka (2007.7.9)
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